2022年9月25日、道東の地でOKHOTSK ABASHIRI MARATHON(オホーツク網走マラソン2022)を走りました。
網走ならではのマラソン大会
スタート地点は有名な網走刑務所の前、
ゴール地点は日本随一を誇る260万本のひまわり畑の中、
完走者に贈られる木製のメダルは刑務作業で彫刻されたもの。
この地域の特性を生かした、まさにならではのユニークな設定です。
変化に富んだ美しい景観!
コースの景観は次々とみどころが続きます。
「知床連山を望むオホーツク海」
「紅く色づくアッケシソウが浮かぶ能取湖」
「森に囲まれた静かな汽水湖の網走湖畔」
そしてハイライトは、14キロ付近、
「能取岬にポツンと佇むとにかく絵になるレトロな灯台」
広々した空と海の青と開けた牧草地の緑の向こうに八角形の灯台が白黒の帯をまとって立っています。
この灯台を巨大なコーンに見立て周回するランナーたちの顔には、自然と感動の笑みが溢れ出します。
景色とは裏腹の厳しいコース
とは言っても、前半20キロまでは、能取岬の山道を進んでいくアップダウンの連続で、素晴らしい景観とは裏腹に決して優しいコースではありません。
レースでアップダウンのある坂道を走った経験がなく、僕はどうやってペース配分したらよいのかわからなかったので、目の前のペースランナーさんの後に付いていくことにします。
結果的に、ここで時計を見ながら自分でペースを考えることをやめて、集団にペースを合わせる集団走を選択したことは正解だったと思います。
またもや35kmの壁!
岬の山道を抜けると、オホーツク海から能取湖畔の爽やかな林道へとコースは変わっていきます。
レースが進んでゆくのに従って集団からは一人減りまた一人減り。僕が混じった時には50名ほどいた集団も、30キロ地点では10名を切る人数になっていました。
そして32キロ付近には、名物の「網走牛ステーキ」の私設エイドがあります。エイドの手前あたりから肉を焼くバーベキューの香ばしいにおいが届いてきます。僕は集団から遅れないことで精一杯で、楽しみにしていた名物エイドをパスする一方、目の前ではペースランナーさんたちが美味しそうにステーキを二人で分け合っています。
網走牛も我慢してここまでなんとか集団に食らいついて粘ってきました。ところが35キロの天童エイドでシャインマスカットを取るために少し速度を緩めると、そこから足は鉛のように重く鈍ります。
「あっ、」
ほんの一瞬、それまでピンと張り詰めていたものが僕の中で崩れました。
その刹那、ペースランナーさんに導かれて一緒に旅してきた勝手に同志と思っていた他のランナーたちの後姿が、あまりにもあっけなく、そして無情にも遠く消え去っていきます。
万事休す、、、
260万本のフィニッシュ!
この残り7kmからは、それまでの北海道らしい広くて見通しの良いロードから、狭くて森が迫る網走湖畔のサイクリングコースに入リます。
ここからは、すっかり重くなってしまった足を引きづりながらの、長ーい単独走の旅。
フルマラソンの正念場です。
そして、やはり38キロ地点で一番恐れいていた状況が訪れます。
右脚が太腿から脹脛まで攣ってしまいます。
二度完全に足が動かなくなり、その場に立ち止まりました。
ここで完全に心が折れかかかったのですが、
「足は何でもない、痛みもない、攣ってない」
とっさに必死に自分に思い込ませるようにしました。
言葉をかえれば、いわゆる「根性」なのですが、
痙攣する右脚を脳でコントールすることによって、不思議と攣りと痛みを遠ざけることに成功し、
再び走り出すことが出来ました。
そして、最後はしっかりとゴールラインを走り抜いてフィニッシュ!
グロスタイム3時間59分48秒
薄氷のサブ4達成のおまけ付きでした。
ゴール付近を取り囲む260万本のひまわり畑は、地元の方がこの日のために一年をかけて準備して咲かせてくれたものでした。
残念ながら僕はゴールに辿り着くことに必死すぎて、日本一の向日葵を楽しむことが出来ませんでした。
来年の課題ですね。
つぎは
オホーツク網走マラソンは、天気、景色、コースに加え、エイド、運営、応援、ホスピタリティと、黒部名水に続いて評判どおりの素晴らしい大会でした。
RUNNETでも2022年のナンバーワン評価でしたね。
そして次回は「たびラン」でなく、いよいよ地元の湘南でのマラソンと思ったですが、、
つづく