2023年4月16日、第33回チャレンジ富士五湖ウルトラマソンの3LAKES 62kmを完走しました。
復路
精進湖の奥、この旅で最も美しい富士山を拝んだ場所のあたりで31キロを越えました。
つまりレースの半分の距離を走ったことになります。
時刻は10時をすぎ、気温は20℃に達しています。
序盤から脱水に注意して水分を小まめに摂り、10キロを目安に持参したジェリーを口にして、エネルギー補給も怠らないようにしています。
ここに来るまで、スピードは出してないものの、普段のジョギングでは経験のない激しい上りと下りを走ってきました。
足の疲労とダメージは確実に蓄積しています。
僕は自分が疲労していることをとにかく頭の中から遠ざけるようにして、一歩でも前に進むために淡々と走ることに徹するようにしました。
復路はいかに消耗を抑えて距離を稼ぐことが勝負です。
それでも集中し過ぎるのも脳が疲労してしまうので、スライドするランナーやボランティアの方々と声を掛け合って気分転換しながら、ここまで来た長い道のりをひたすらに戻っていきます。
こうして再び西湖に辿りくと、復路は南側の先ほど走った道の対岸を走ります。
そして、いよいよフルマラソンの距離を超え、僕にとって未知の領域へと突入しました。
42.195キロの先の世界
西湖の沿岸からは綺麗に整備された比較的な平坦な道路となります。
このあたりに来ると周囲はまばらとなっていますが、走っているランナーは僕と同じように苦しい状況で足を運んでいるのが伝わります。
この周囲のランナーの力を借りながら西湖のほとりを走ります。
47キロ、残り15キロまで来ました。
この段階では、自分の身体のコンディションはまったく問題なく、順調に人生最長距離を走ってきたと思っていました。
ところが、西湖から河口湖に向かう途中の下り激坂で、不意に僕の左膝が悲鳴をあげます。
不意と言ったものの、僕は半年前に両膝の靱帯を損傷しています。その影響で下りで足を踏ん張ると内側側副靱帯に鋭い痛みが走り出したのです。
おそらくあの序盤の10キロ近く続いた下りによってダメージが蓄積していたのが原因だと思います。
ここまでの上り坂では一度も歩いていなかったのですが、本能的にこの痛みを無理するのはマズいと感じ、やむなく下り坂にも関わらず歩くことを選択します。
幸いなことに、すぐ100mほど先に足和田地区公民館のエイドがありました。ここでゆっくり補給をしたりトイレを済まし、折れかけた心と身体を整え直します。
結果的にフィニッシュに向けてこれが大きかったです。
このエイドでも座らずに長すぎる休憩とならないようにして、さっさと走り出します。長く休憩すると身体が冷えて膝の痛みやその後のパフォーマンスに良くないと考えたからです。
エイドを出るとすぐに下り坂が終わります。
幸いなことに膝は平地と上りを走る際には問題なかったので、信号待ちからのリスタートで、元気なランナーさんを追いかける格好で再びペースを取り戻します。
河口湖の対岸の5キロの道のりは、とにかく背中を追って周りのランナーさんの力を借りるような走り方をしました。
もう自分一人では走ることのできない距離まで僕は来ていたのでした。
ウルトラの旅はつづく(チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン、走りました。#4【河口湖〜ラスボス〜ゴール】)