2023年9月はじめ、日本一の高さを誇る黒部ダムを経由する立山黒部アルペンルートで旅ランを楽しみました。

今回の旅は、富山県側の立山町から長野県側の大町市までの高低差およそ2千メートルの行程。

ケーブルカー、バス、トローリーバス、ロープウェイ、ケーブルカー、徒歩、電気バス、路線バスを乗り継いで行きます。

初日は北陸新幹線で富山駅へ行き、そこからローカル電車に乗車しました。

5月にも黒部名水マラソン(記事はこちら)で、富山地方鉄道を利用して宇奈月温泉で宿泊しましたが、この旅では立山駅を目指します。

電車に揺られて富山平野の田園地帯から立山連峰の裾野の山間まで進むこと1時間余り、アルペンルート富山側の出発点である立山駅に到着。

ここから立山ケーブルカーと立山高原バスで、弥陀ヶ原まで行きます。

弥陀ヶ原高原

標高1,930メートルの亜高原帯にある弥陀ヶ原は、ラムサール条約に登録された湿原地帯。

1日目は弥陀ヶ原にあるホテルに滞在して、夕方と翌日早朝の隙間時間に池と緑の草原を旅ランしました。

眼下に富山平野から富山湾、さらにその向こうには能登半島も見下ろす高原の遊歩道を走ります。

整備された木道の遊歩道は、ホテルの裏からスタートして下り続け、途中で折り返して上りとなり、一周2キロほどの周回コースとなります。

右手には大日岳と奥大日岳、左手には鍬崎山があり、背後には薬師岳が控え、雄大な立山連峰に囲まれた雲上のステージ。

この湿原には「餓鬼の田」と呼ばれる1メートル四方ほどの小さな池が無数に点在します。

ここには、地獄に落ちた餓鬼が飢えをしのぐために田植えをしたという伝説があり、壮大な景観の中でどこかミステリアスな雰囲気が漂っていました。

流石に標高2000メートル付近となると、上りではすぐに息が上がり、距離は短くても良いトレーニングになります。

一日目は夕景の中を散歩も入れて3周ほど、二日目は朝焼けの中を立山カルデラ展望台まで足を伸ばしてジョギングを楽しみました。

くろよん

二日目は弥陀ヶ原からバスで室堂に行き、雄山を眺めながら、みくりが池を散策。

さらに室堂から立山トンネルトローリーバス、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカーを乗り継いで、この旅のハイライトである黒部ダムを訪れました。

昔から画像や映像では何度も目にしていた「くろよん」。

観光放水は、圧巻の迫力で、清涼感がたまりません。

宇奈月温泉からの黒部峡谷トロッコ電車では、黒部第3発電所までしか行けませんでしたので、ようやく本丸に来た感じでした。(2024年夏には黒部宇奈月キャニオンルートが利用できるようになります。)

黒部ダムから先は電気バスで長野県側の扇沢に抜けて、アルペンルートは終了。

二日目は大町温泉郷にある温泉宿に宿泊しました。

大町温泉郷

大町温泉郷は昭和30年代に開発された比較的新しい温泉街。

一つ一つの宿が整備された区画に配置されおり、そのため周辺の道路が広くまっすぐに引かれていて、ロードランニング向きです。

二日目の朝は、宿の人にアドバイスをもらった通り、北アルプスの方向に向かって走りました。

1キロほど走ると、温泉街から信州らしい農村地帯へと風景が変わります。

爽やかな澄んだ早朝の空気と、勢いよく用水路を伝わる北アルプスの清涼の水の音の中を進みます。

次第に明るくなり、朝の光が照らす水田の稲穂が、黄金色に眩しく輝いていました。

少し前まで酷暑と脹脛痛で、満足に走ることができない日々が続いていましたが、日本らしい素晴らしい田園地帯の環境で自然とテンポも上がります。

こうして10キロの朝ランを気持ち良く走り終え、宿の温泉を堪能したのでした。

旅はつづく

投稿者
KUGE RUN

九郎

コロナをきっかけにジョギングをはじめる。 「人はどうして走るのだろうか?」 と思いながら普段は地元の江の島周辺を走り、 ときどき各地で旅ランを楽しんでいる。

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